むかしばなし
最近屋久島ツアーなどで人気のある屋久島。
一度は行ってみたいですよね。
今日はそんな屋久島に伝わる民話、「アチャヤ姫」を紹介します。
むかし、むかし。
あるところに、一郎、二郎、三郎という三人兄弟がいました。
ある夏の夕暮れ、三人はうちわを持って夕涼みしていました。
そのとき、一番下の三郎がふと、
「このうちわの絵人形はほんにきれいかなあ。こんなきれいな女子がこの世の中にあるじゃうか」
というのでした。すると一郎が、
「それはあるだろう」
といいました。
「ほんのこておるかね。こげな人はどこにおるもんだろうか。」
「それはね、鬼人ガ岳というどころにあるアチャヤ姫という女子じゃ。わざいきれいか女子じゃそうや。」
「その女子を一目見たかもんやね。」
「わいが行たても、とてもその女子を見やならんやろ。だいたい鬼人ガ岳がどこか、わからんとやからね。」
「うんにゃ、どうしても一目見てこんと気がすまん。」
それから、ニ郎は母にどうしてもひまをくれといって、ようやくなっとくしてもらって、その翌日、毎日、毎日、あの山こえ、この野をこえてアチャヤ姫を探しまわりました。
あっちの国に行っては、
「鬼人ガ岳を知りませんか。」
こっちの国へ来ては、
「アチャヤ姫を知りませんか」
とたずね歩きました。しかしだれも知りませんでした。
そうするうちに、たちまち月日がたってしまいました。
ある年のある日、山のふもとの一軒茶屋に休んだ三郎は、そこでも、
「鬼人ガ岳を知りませんか」
と聞いてみました。すると茶屋の主人が、
「鬼人ガ岳なら、あちらに見えている岳じゃが。
しかし、あの岳には今まで百人も人が行ったが、だれも帰ってきません。あなたは何しに行くのですか」
といいました。